Andy GroveとIntelの転機

やっとこさ、Andy Groveの本を読み終わった。その中で忘れる前に書いておきたい事が一つあります。Intelは1968年にRobert NoyceとGordon Mooreによって設立されました。現在、Intelはマイクロ・プロセッサーで有名であるが、起業した当時は半導体企業でメモリーを製造していました。1980年代前半、日本企業からの追い上げにあいIntelは瀕死の状態でした。このままメモリー事業を続けていても、製品の価格及び質の点で日本企業には勝てない事が見えていました。(当時Intel内では、プロセッサー事業は中核の事業ではありませんでした。)当時のCEO及びCOOであるGordonとAndyは会社の舵をどのように切るのか議論していました。Intelを売却すると言う選択肢もあっただろうし、彼らが当時のボードによって退任させられるという選択肢もあったと思います。彼らはこの危機を乗り越えるために、もし自分たちがCEO、COOから退任させられ、ボードが新しいCEO、COOを外部から連れて来た場合、新しいCEO、COOはどのように行動するだろうかを自分たち自身で考えました。その仮定にたって、導き出されたのが、Intelの中核事業をメモリー事業からプロセッサー事業に移行する事です。この移行は簡単なものではなく、Intelに関わる全ての人にとって厳しいものでした。この移行には多くのレイオフも含まれます。メモリーの開発及び製造と、プロセッサーの開発及び製造は違うものだからです。この移行以降、Intelの業績は回復し現在の地位を確立していきます。
多くの業績の悪い企業がCEOを入れ替える事によって、会社を立て直す事ができています。日本の例だと日産自動車、最近のアメリカの例ですとHP、ちょっと前の例ではIBM。何のしがらみのない能力の高いCEOが抜本的なアイデアで会社を立て直す例は数多くあります。Andy Groveがすごいのは自分自身でそれを実行してしまう事です。当時のAndyには社内に、多くのしがらみがあり、このアイデアに辿り着く事も難しかったでしょうし、実行する事は困難を極めたと思います。だからこそ最高の経営者として称えられているのだと思います。

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