起業の秘訣: ギャップ(既存の物と、実現可能な物の乖離)を見つけよう。
6章ではLotus DevelopmentのファウンダーMitchell Kaporが紹介されています。
今回は、なぜLotus 1-2-3が成功したかに付いて書いてみたいと思います。
Mitchell Kaporは、Lotusを始める以前、VisiCalc向けにチャート・グラフ機能を提供するソフトを作成していました。しかし、方向性の違いから、そのプロダクトをVisiCorp(VisiCalcを販売していた会社)に売却し、Lotus Developmentを始めました。彼がLotusを始めたのと同時期にIBMがPCを販売し始めます。当時のもっとも売れていた表計算ソフトはVisiCalcでしたが、VisiCalcはApple II向けであり、IBM PC向けに移植したVisiCalcは、IBM PCの全ての機能(Apple II以上のメモリーなど)を使用していませんでした、さらにVisiCalc自身はグラフ・チャート機能を持っておらず、マーケット(潜在顧客)からの要求を満たしていませんでした。同時期にマイクロソフトも表計算アプリケーションをリリースしたようですがVisiCalc同様の状態だったようです。そこで、Mitchellは、VisiCalcが顧客の要望に応えていない事、更に、VisiCalcがIBM PCの機能を最大限に活用するように作られていない事に目をつけ。現在存在するアプリケーションと、開発可能なアプリケーションに大きなギャップがある事を見つけ、そこにビジネスチャンスを見出しました。MitchellとそのチームはIBM PCの機能を最大限に活用するLotus1-2-3を開発し、成功を収めます。VisiCalcとLotus1-2-3の間にはかなりの機能の差があった事が、想像できます。
Lotus 1-2-3の名前の由来について、Wikipediaより。”1-2-3”は、アプリケーションが3つの主要な機能を提供していた事から付けられたそうです。その3つとは、表計算機能自身、チャート・グラフ機能、そして基本的なデーターベース機能です。
The name “1-2-3” stemmed from the product’s integration of three main capabilities. Along with being a spreadsheet, it also offered integral charting/graphing and rudimentary database operations.
このシリーズ、志半ばですが今回でおしまいにしたいと思います。本を読む事より、文章を書く事は何倍も大変であると今回実感しました。
最後に、Founders At Work大変面白いので、お勧めです。